兵庫県下の約140書店の団体です。各種イベントやフェア、そして良書の発掘や販売などを行っております。
絵本ワールド in ひょうご 2024
を開催します!
日時:2024年10月5日(土)12:00~16:00 10月6日(日)10:00~16:00
場所:あかし市民広場(JR明石駅・山陽電鉄明石駅から南へ徒歩約1分)
明石市大明石町1丁目6番1号パピオスあかし2階
追加の情報は下記SNSでご覧ください!
https://www.instagram.com/ehonworld_hyogo
X(旧Twitter)
https://twitter.com/EhonWorld_HYOGO
中高校生向けの読書推進活動
どっぷりつかるなら読書がいいね!
昨年に引き続き進めています。
昨今問題になっている、兵庫県の中高生のネット依存やそれに伴うトラブルの防止を回避してもらうべく、また、子どもたちに読書の楽しみを再認識していただき、読書に親しんでいただけるように、兵庫県書店商業組合主催で2024年度の活動を令和6年4月から開始しました。なお、この活動には兵庫県さま、兵庫県教育委員会さまの後援をいただいております。
24冊の推薦図書の推薦文を紹介します。すべて現役中高生による選書からです。
『変な家 文庫版』(雨穴著、飛鳥新社)
「フィクションで良かった」それが私の読み終えた感想だった。動画から書籍となり、映画にもなった人気の不動産ミステリーである。謎の空間、二重扉、窓のない子供部屋、知人の設計士が言う「奇妙な違和感」の事実は何かが「元住人」や「過去」からわかっていく。
まず、私も間取りを見て、不気味な感覚にぞくぞくしつつ推理していく。会話調の文章に引き込まれながら、想像を超えた事実にたどり着いていくまで、時間があっという間に過ぎた。平和な日常が何より大切で、守りたいものだが、ミステリーというホラーの怖い世界に入り込み、未知の世界を知ることのドキドキ感を知った、そう「読書」の醍醐味を味わう一冊だと思った。
『VISION夢を叶える逆算思考』(三苫薫著、双葉社)
皆さんは小さい頃からの夢や目標はありますか?三苫選手は幼い頃からサッカーを始め、今すべきことを常に考え、行動してきました。
この本の注目すべきところは2つあります。まず、1つ目は、諦めずにドリブルという武器を磨きつづけたことです。彼は真正面から勝負を仕掛けても競り負けてしまいました。そこで「どうするか」を深く考えました。2つ目は、夢を叶えるために具体的に目標を掲げること。長期・中期・短期での目標を設定し、1つずつ目標に近づいていこうとすること。
この本にはサッカー用語も出てくるけれども、自分の生き方に大きなヒントを与えてくれ、勇気や希望をいただけました。
『5分後に意外な結末ベスト・セレクション 金の巻』(横田慎太郎桃戸ハル編著、講談社文庫)
私はこの本を読みハラハラドキドキしました。なぜなら、5分後に何が起こるのか最後までわからず、知った時に爽快感が生まれる。そんな本はあまりないため新感覚な気持ちで本を読むことができました。この本のどこに爽快感を感じたかというと、一話一話がすぐ終わるのに、内容が濃く、最後にどんでん返しがあるところに爽快感が生まれ、恐怖、笑い、感動、風刺、ブラックユーモアなどなどいろいろなテーマがあり、とても面白く読むことができました。この本を読んでみて、私は主人公の冒険したい気持ちに感動した。なぜなら普段の生活では、このような体験をすることはあまりなく、非日常的な話が私の心に突き刺さったからである。この本にはいろいろなシリーズがあるため、友達にもおすすめしたいと思いました。
『奇跡のバックホーム』(横田慎太郎著、幻冬舎文庫)
この本を読めば、僕たち人類の持つすばらしい身体の力に魅了されない人はいないでしょう。他の生き物にはできないことが僕たちの身体でできるということ、その精巧なつくりの美しさに感動を覚えることは間違いありません。
人間を襲う病気もまたすばらしく良いものです。病気が起きることによって「ひと」は抗体というものを作り、そしてその抗体を作る薬を開発した「ひと」もいるのですから。この本はそうした「ひと」のすばらしさに出合える本なのです。
『神様の絆創膏』(村瀬健著、メディアワークス文庫)
日和神社に隣接する春日野病院に通院する人々が神社を訪れる。心に悩みを抱えた彼らは、神社と猫がとりもつ不思議な縁によって、心の傷を癒し、幸せを見つけていくという物語です。人それぞれ悩みを抱えていると思うけど、この本に登場する人物は、病気、人間関係に悩みを持っていて、生き方について考えさせられる本だと思いました。はじめは悩んでいた人々も日和神社の優しい宮司さんに悩みを打ち明けて、だんだん幸せを見つけ、成長していく姿がとても良いなと思いました。悪いところしか目につかなかった人生が良いことをたくさん見つけて幸せな人生に変わっていくところが面白いです。ぜひ読んでみてください。
『教室が、ひとりになるまで』(浅倉秋成著、角川文庫)
とある高校を舞台とした異能ミステリー。そんな簡単な紹介と題名だけでも面白そうな作品。しかし、それだけではありきたりと言われるかもしれない。ただ、私が面白いと思ったのは異能を使ったトリックではなく、やはり一番は犯人の動機なのだ。四人が死に、完全に静まり返った教室を見て、私たち読者と主人公は犯行の動機を初めて、本当の意味を理解することになる。あざやかなタイトル回収に、私はさっと背筋が冷えた。それほどまでに素晴らしい作品なのである。この体験をぜひ皆様にも味わってほしい。
『月の影 影の海』(小野不由美著、新潮文庫)
ケイキと名乗る男に突然異界に連れ去られた陽子。なぜ少女は異界に迎え入れられたのか、なぜ戦わなければならないのか。見知らぬ国でことごとく裏切られてなお、迸る生への執着を描く物語。王と麒麟が1人ずつ存在している12の国から成る世界が舞台のファンタジー小説。独特の世界観がとても緻密に描かれ、すぐに物語の中に入り込んでしまう一冊。陽子は生きていく上での苦しさ・辛さを抱えながらも、疲弊しても決して生きることから逃げ出したりしない。私はこの本を今、生きることに疲れている人や自分と同じ十代の方に読んで欲しい。きっと、陽子の生き様に触れていくうちに、生きていく勇気を受けっとってくれると思う。
『私たちの世代は』(瀬尾まいこ著、文藝春秋)
小学校三年生のとき流行した感染症のせいで不自由な生活を余儀なくされた二人の少女、「冴」と「小晴」。彼女たちはそれぞれの人生に立ちはだかるいくつもの困難を乗り越えながら、いつしか大人になってゆく――この物語はもしかしたら未来を生きる私たち自身の物語かもしれません。
コロナは私たちの生活からさまざまなモノを奪っていきました。と同時に、それまで見えなかったものに気付かされることもあったように思います。誰かとことばを交わせる喜びを噛みしめたくなる一冊です。
『世界は「 」を秘めている』(櫻 いいよ著、PHP研究所)
あなたには好きなものや好きなことがありますか。好きなものや好きなことを明確に把握できている人はそれを楽しんでやっていますか。この物語は、自分の好きなものが分からず周りが作り上げた自分を演じ続けてきたつばさと、周りの目が気になり自分の好きなことができないなぎらが少しずつ本来の自分を見つけていくお話です。自分とは何か、自分のことを相手に全部理解してもらう必要はあるのか、悩みながらも答えを探していきませんか。
『親愛なるあなたへ』(カンザキイオリ著、河出書房新社)
誰かを羨ましいと思ったこと、誰だって一度はあるだろう。しかしこの「羨ましい」という感情によって追いつこうともがいて成長する者もいれば、言い訳をする者、果ては人を傷つけたりする者だっているはずだ。まだ幼い子どもだって、誰もが羨むような完璧に見えるあの人だってきっとそうだ。
私たちは「羨ましい」という感情にとらわれながら今を生きている。それが尊敬という正に転ずるか、それとも嫉妬という負に転ずるかは、あなた次第だ。
『この夏の星を見る』(辻村深月著、KADOKAWA)
長かったコロナ禍にようやく終止符が打たれようとしています。あなたは、この期間どんなことを考えましたか。この本にはある高校の天文学部の生徒たちをめぐる物語が同時代的に描かれています。コロナで大会が中止になった人、周囲から心ない誹謗中傷を受けた人、友達に会えなかった人、受験と重なった人、登場人物は私たちの姿そのものでもあります。〝いつも〟の大切さを教えてくれるこの本は、きっとあなたの宝物になることでしょう。
『夜明けのすべて』(瀬尾まいこ著、文春文庫)
「PMS」「パニック障害」あなたは知っていますか。これは男女二人にとっての「日常」を描いた物語。結論から言うと、この二人の関係は恋人にもならない、友達にもならない。でも何故か二人でいる時間は少し楽しい。決してお互いのことが好きなわけでもないし、むしろ嫌いで苦手。でもお互いがお互いに自分を少し重ねる。だから手を伸ばす。「PMS」「パニック障害」これは似ていて非なるもの。お互いがお互いの苦しみを分かることはない。でも少し寄り添うことでお互いを救えるんじゃないか。そんあ気づきがお互いの心に光を灯していく。読むと感情が緩やかに展開され温まる。小さな町の二人の「日常(ストーリー)」に寄り添ってみてください。
『余命10年』(小坂流加著、文芸社文庫)
もしもあと十年しか生きられないとしたら、あなたは何をしますか?この本では余命十年と告げられた主人公・茉莉の生き方が描かれています。日々体を蝕む病気と自分の体を恨み、これ以上何も失われないため、大切なものを作らないように生きてきた茉莉。読み進めるごとにどんどん流れる時間と、それに取り残されたような茉莉の対比が苦しく切ない物語です。病気に飲み込まれず、このままではいけないと周りの友人や家族と共に人生を乗り越える姿に心を動かされます。私たちが今思っている「普通」にはどんあ価値があるのでしょうか?この本を読めばきっとこれからの人生を今までよりも大切に生きようと思えます。
『ワンダー』(R・J・パラシオ著、ほるぷ出版)
一歩踏み出すことは必ず前進することにつながると思わせてくれる。顔に障がいをもった十歳の男の子が学校へ通う中で様々な困難を家族、友人、先生たちの支えを得ながら乗り越えていく物語。彼以外の家族や友人たちの視点でも物語は進んでいくため、人物の心情や葛藤をより強く感じることができる。彼だけではなく出てくる人物みんなが彼を通して成長する様子が私の心をまたゆさぶった。
また、彼の助けになったのは誰かが一歩を踏み出したからであるし、彼自身が踏み出したからでもある。そして、家族から愛情をたくさん得たから、案外世界は優しいのだと実感した。だから、私は誰のためにあなたのために一歩を踏み出す。
『いい人ランキング』(吉野万理子著、あすなろ書房)
「いい人」って呼ばれるのはあなたにとっていいことですか?この本では、クラスで一番いい人を決めて強制的に「都合の」いい人を演じさせられてしまういじめのお話です。主人公の木佐貫桃はそのいい人に選ばれてしまいました。売店まで昼食を買わされに行ったり色々パシリとして使われる…かといって裏切ればみんなからもっといじめられる…なすすべなく妹の師匠、尾島圭機に助けを求め解決策を見出そうとするが…桃のクラス、2年1組は一体どうなっていくのか。いじめを受けていたり悩みを抱えている中学生にぜひ読んでほしいです。好感を持とうとしていい人になるのは気をつけてくださいね。
『#真相をお話しします』(結城真一郎著、新潮社)
辻褄の合わない、歪んだある日常の話。この本は5つの短編の話からなる小説です。その一つの話である、「惨者面談」を紹介します。この話は主人公の片桐が家庭教師としてある一家を訪れるのですが、家の前の大量のゴミ。怪しげな雰囲気から片桐は違和感を覚えました。片桐が家の中に入るとその違和感はもっと大きいものに変わりました。様子のおかしい母親、禁句の質問、ある数字を連呼する息子。片桐は何かがおかしいという疑いの気持ちがこの家のあるもので確信に変わりました。この母親は。この息子は。
ミステリー界で名高い結城真一郎さんの仕掛ける罠、罠、罠。
あなたは多くの罠から逃れきることは果たしてできますか?
『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』(汐見夏衛著、スターツ出版文庫)
あなたは今、周りの人を大切にできていますか?私はよく親に反抗してしまいます。ちょっとしたことで自分は不幸だと思ってしまうし、反抗しないようにしててもしてしまうことが多いです。だけどこの本を読んでから私は気持ちも態度も変わったと思います。昔の戦時中の日本を想像すると、今は自分の家もあって家族もいて幸せでしかないです。不幸だなんて簡単に言えません。あの人達が今を生きる私達のために残してくれた幸せ。周りの人、自分を大切にしようと思える愛で溢れる本です。もし周りの人や自分を大切にできてない、生きるのがしんどいなと思う人がいたらこの本を読んでみて。きっとあなたが生きる理由も周りの人を大切にできるきっかけも見つかるから。
『風に恋う』(額賀澪著、文春文庫)
「風に恋う」は全国大会を目指す吹奏楽部の物語だ。吹奏楽部の活動は、全体での合奏やマーチングが主な活動だ。最高学年である3年生が部やパート内の主であることがほとんどだが、経験や技術の差はあっても全学年の部員が一つのチームとしていつも活動している。全体で一つの目標に向かう時もあれば、アンサンブルやソロの様に部内で競争にかけられる時もある。そうして部内で競う機会を経て、お互いの音を改めて聞き 分析し、全体の演奏にフィードバックしていく事で 合奏もパートや個人の演奏も磨かれていく。同じメンバーで迎えられる、常に「一度限り」の舞台を そうやって繋げていくのだ。
物語は冒頭、指揮棒が構えられ はじめのブレスを吸い込む感覚から始まり 紡がれていく。これから吹奏楽を始めるみんなに、ぜひ読んでみてほしい。自分がこれから奏でていく音楽を想像しながら。
『また、同じ夢を見ていた』(住野よる著、双葉文庫)
あなたの「やり直したいこと」はなんですか?この本を手に取った時一番に目に入ったのは帯に書いていたこの言葉でした。誰にだってやり直したいことはあります。私にもあります。誰かを傷つけてしまった、こっちの選択のほうが正しかったかもしれない、いろんな思いがあり迷っている人はぜひ読んでみてください。今からでもまだ大丈夫。そのやり直したいと後悔している思いは自分ではらすものです。あなたが動けばきっと誰かが助けてくれるはず。私はこの本から勇気をもらいました。とても温かい希望の物語です。やり直したいことがある人におすすめします。
『流浪の月』 (凪良ゆう著、創元文芸文庫)
この"流浪の月"という本は、正しく愛することを知らない2人が誘拐事件の加害者と被害者という立場にはめ込まれ、他者から迫害されながらも生活していく話だ。
生々しい気持ち悪さが作中で描かれるこの話は、事実と真実、常識と非常識の違いにも触れられていて、一つの事件でも自身の考えや一般的な「事実」と、その当事者にしかわからない「真実」の違いを明確に映し出している。
普通とは、正しさとは。それを愛に似た名前のつけられない感情を通して、氷砂糖の様な脆さで紡がれるこの話は、きっと貴方の考えを変えてくれるだろう。
『きみの友だち』(重松清著、新潮文庫)
私が私が推薦する本は「きみの友だち」という本です。
この本の主人公の恵美ちゃんは交通事故で両足が不自由になってしまいます。生まれつき肝臓が悪く入退院を繰り返す少女。その二人の友情が描かれている本です。この本は本当の優しさ 本当の友情を教えてくれるそんな本だと思います。学生はもちろん社会に出ても友達と揉めてしまったりすることが多々あると思います。そんなとき本当の友達って?親友ってなんだろうと思うことはありませんか?そう思ってしまって時にぜひ読んでほしいと思います。
『あめつちのうた』(朝倉宏景著、講談社文庫)
2023年夏の高校野球で慶応高校が107年ぶりに優勝しとても話題になりました。野球をやっていたら1度は憧れる甲子園、その甲子園といえば神整備と呼ばれ雨が降ってグランドがどろどろになっても30分後には何もなかったようになっているグランドにする阪神園芸という職人がいます。その阪神園芸をテーマにしたのがこのあめつちのうたという本です。
運動神経ゼロの主人公雨宮大地は高校卒業後すぐに阪神園芸に入社しアルバイト経験もなく、どうしたら良いのかわからず失敗だらけでとても落ち込むことが多く、悩んでいたが仲間とともに仕事に向き合い成長していく大地の物語、さらに阪神園芸の裏側や仕事内容なども知れて、野球をしている人はぜひ読んでほしいです。
『アルジャーノンに花束を』(ダニエル・キイス著、ハヤカワ文庫)
皆さんは「環境を変えたい」と考えてみたことはありますか?誰かに相談すると「環境を変えるのではなく、自分を変えよう」と言われますよね。でも、自分を変えて行くことも大切だと思いますが、耐えられないときはあります。環境を変えることはけして悪いことではないと考えます。私も顧問の先生の指導の価値観に全く合いませんでした。私は部活をやめ、新しい環境で一から始め、環境を変えて良かったと思いました。この本の主人公チャーリイはIQが低く、その時に手術をして頭が良くなりました。チャーリイも環境を変えたからこそ頭が良くなり人並みに過ごせるようになりました。環境を変える事は悪ではなく、ときには変えることも大切です。
『少年と犬』(馳星周著、文春文庫)
この本は、東日本大震災で飼い主と離れてしまった犬”多聞”が、老若男女とわず、色々な人と出会いと別れを繰り返しながら旅するお話です。多聞が出会う人々は、窃盗犯グループのリーダーであったり、地震によって心を閉ざしてしまった少年であったり…多聞は人の言葉や思いをよく理解し、また、多聞と出会った人も、犬の小さな動きとかから犬の感情を理解していく、というような描写が微細に書かれていて、犬と人の絆が強く感じられる本です。
また、この本は「短編連作」という、短編小説をキャラクターや世界設定を変えずに、1人繋がりの話として何話も続けていく形式の話なので、短い時間で読み切ることができるため、緒黄変小説よりも手軽に小説を楽しむことが出来ます。長編が好きな方も苦手な方も読むことができるので、誰でも楽しめます。